ギース・ハワード 〜サウスタウンを支配する老練なる武術の達人〜 |
主要タイトル | 餓狼伝説シリーズ(1・2・3・RB1・RB2など) ザ・キングオブファイターズ(96・98) ザ・カードファイターズ 龍虎の拳2 |
プチ解説 | サウスタウンを支配する権力者であり、当て身投げを得意とする武術の達人。 主にボガード兄弟の仇敵として一貫した悪役であり、その人気は最高峰。 |
格闘ゲームが日本でブームとなったのは90年代前半から後半にかけて。
ブームとはいえ、今では随分と昔の話に感じてしまうほど時間が過ぎました。
この時期に出てきた格闘ゲームの代表作としては、
ストリートファイター、龍虎の拳、餓狼伝説、KOF、バーチャファイター、鉄拳などなど。
(※他にもありますが、玉石混交でありキリがないので割愛。)
このコラムでは、既にストリートファイターUで登場した『エドモンド本田』を取り上げていますが、
今回は餓狼伝説にてラスボスとして君臨した悪役であり、
龍虎の拳2にて裏ボスとして登場した武術の達人、ギース様を取り上げます。
公式設定からいくつか抜粋すると、
生年月日は1953年1月21日。アメリカ合衆国の出身。血液型はB型。
趣味は特にない(凝り性で飽きっぽい)。格闘スタイルは古武術。
服装は武術にならって白い道着、下は赤色の袴を着用しています。
(※餓狼初代のみ道着を着用。以降は、道着を肌蹴させた状態になる。)
というところでしょうか。
ボガード兄弟とその仲間から仇と思われている原因は、
テリーとアンディーの養父であるジェフ・ボガードを殺害したのがギース様だからです。
ちなみにジェフも武術の達人であり、要するに自分の師匠を何の躊躇いもなく殺したわけです。
(※同様に、ブルー・マリーの祖父に当たる周防氏を殺害したのも彼。)
自分の野望のためならば恩人であろうとも殺すことに迷いはなく、これは列記とした大物級の悪役です。
しかしステージに飾ってある装飾品を見る限り、
日本製の骨董品や美術品が多く見受けられます。
これはギース様が「日本大好きっ子」という設定によるものです。もちろん母国が1番ですが。
あら、ギース様が親日派だとは意外ですね。
初登場となった餓狼伝説では、大会主催者でありラスボスとしてプレイヤーの前に立ちはだかり、
大会優勝者を自分の手で葬り去る役目を担います。
しかしこの戦いで勝ち残った主人公(テリー・アンディー・ジョーの誰か)に敗北し、
自身が所有するビルから転落。全身を強く打ち、絶命します。
ところがこの人。続編である2では設定上で暗躍していたり、外伝扱いであるSPECIALでは堂々と出てきたり、
3に至っては初期選択可能キャラで最後に立ちはだかる人物であったりと、
「お前、死んだんじゃねーの?」という疑問を堂々と感じさせてくれます。
これはゲームや漫画の世界で御馴染みの【実は生きていました】
という設定によるものですが、高層ビルから落ちて一命を取り留める時点で色々カオスです。
ギース様の生命力の強さやら、地面が柔らかな素材だったやら色々考えることはできますが、
どうやら設定によると、
地面へ激突する手前に気を放って衝撃を和らげたために生き残った
というものがあるとかないとか。
うーん、なるほど。あんなに慌てながら落ちていったのに機転が利いてたんですねぇ。
でまぁその後は、信頼のおける部下『ビリー・カーン』を使って暗躍する切欠を作ったり、
何度も懲りずにボガード兄弟やその他人物の前に立ちはだかる存在となります。
ちなみに奥さんは死亡しており、息子も1人いるようです。(※別の作品で登場している。)
龍虎の拳では、条件を満たすことによって裏ボスとして登場し、戦えます。
ただし龍虎の拳は、餓狼伝説よりも時系列的に前の話になるため、
ギース様も随分とお若い容姿です。しかもスーツ姿。26歳にして悪の組織を束ねるカリスマです。
その後、餓狼伝説の時代へと繋がるのですが、この時点ではまだジェフ・ボガードを殺害する前です。
(※というか、古武術を習得する前です。)
このように、冷酷非道な面を持つ悪の権化、もとい悪のカリスマとも言うべき存在ですが、
なかなかお茶目というか、おボケ遊ばされているような言動があったりするネタキャラでもあります。
初代餓狼伝説において、プレイヤーが1戦勝ち抜くごとにギース様が反応を示すデモが流れるのですが、
徐々に勝ち進んで行くごとに落ち着かない様子になっていき、
自分の配下が倒されたらブチギレるなど、小物臭を放ちまくります。
アーケード版で放たれた衝撃の発言を記憶している人も多いのではないでしょうか。
「んんんんんー、許るさーん」(゚Д゚#)
技は気を操る飛び道具や、連続打撃、相手の攻撃を受け止めて投げる『当て身投げ』、
自分の周囲に刃のような気を発生させる超必殺技を習得しており、初代だけでもラスボスに相応しい実力です。
特に、こちらの打撃・突進系必殺技をぶん投げる当て身投げは脅威であり、
この当て身投げだけで全クリしているTAS動画まで存在します。ギース様強いです。
格闘ゲームのストーリーはオマケのような感じであまり気にしない人も多いとは思います。
一応、悪役という位置で様々なキャラはいるんですけどね。
ストリートファイターシリーズならば、ベガやギルあたりですね。
龍虎の拳シリーズならば、Mr.BIG、ワイラー。ギース様も含まれます。
餓狼伝説シリーズであれば、ギース様、クラウザー、秦兄弟、山崎竜二など。
KOFなら、ルガール、ゲーニッツ、オロチ、グリザリッド、イグニスなど。
あぁ、キリがねぇな!(゚Д゚)
という感じで悪役はいますが、ストーリーにまではあまり目が行かないジャンルだったりします。
最近ではギルティギア、鉄拳などにストーリーがしっかり付けられていたりしますが。
ストーリーや背景に注目していただけると、ギース様の面白さや悪役としてのカリスマ性がわかります。
性能もカリスマも高レベル。日本大好きっ子(?)のギース様は格ゲー界では偉大な存在です。