スーパードンキーコング |
総合評価 |
A |
今度の主役はドンキーコングの孫だ!
現在、任天堂人気キャラの一角として有名となったドンキーコングのアクション第1弾。
主人公はアーケードで人気を博した『初代ドンキーコング』の孫と、相棒のディディーコング。
島を侵略し、バナナを奪い去ったクレムリン軍団と戦いに臨む。
様々なアクションを駆使し、森や雪山、海などを舞台に暴れ回るコング達のゲームは、
スーパーファミコンの性能を極限にまで使ったものとして後世でも高い評価を受けました。
評価点と失点
評価点
踏みつけ、ローリング攻撃という基本アクションだけでなく、ロープアクションなど色々と充実。
敵を倒すだけでなく、ステージ内のアイテムを獲得する工夫も必要で、単純というレベルではない。
ステージ内には1〜4ヶ所程度ボーナスステージが隠されており、それを発見する楽しさがある。
発見するにはタルを壁にぶつける、飛び降りるなどをしなくてはならないため、発見が困難なものも。
しかし、それ相応の恩恵が受けられるボーナスステージも多く、確実に冒険の手助けになる。
アニマルフレンドというお助けキャラが存在しており、道中で冒険のサポートを行ってくれる。
サイのランビ、カジキのエンガード、カエルのウィンキー、ダチョウのエクスプレッソ、オウムのスコークス。
それぞれ持ち味があり、彼らの性能を活かしたアクションは操作していて非常に気持ちいい。
レア社の高い技術力を存分に発揮した鮮明なグラフィックは、SFCの性能を超えたとまで言われた。
敵味方問わずモーションもきめ細かく、背景の描写の細部に至るまで手抜きと思える面は皆無と言える。
音楽性豊かなBGMは現代でも高く評価されており、筆者もゲームの演出や盛り上げの面で好印象である。
ジャングル・海・雪山・洞窟それぞれにBGMが用意されており、場面の雰囲気にマッチしている。
特に『工場ステージ』『コースターステージ』の2曲は非常に素晴らしい。それしか言えない。
『動きは遅いが固有技持ち。防御に優れた敵を倒せる』という特徴のドンキー。
『パワーこそないがジャンプ力に優れ、スピードクリアに必要不可欠』という特徴のディディー。
使用できる2キャラそれぞれに長所と短所が存在しており、個性を十分に発揮した展開を味わえる。
失点
隠し要素であるボーナスステージ捜索が難しい。完全クリアには必要不可欠なため、かなり苦労する。
評価点でも述べたとおり、飛び降りたり壁に衝突する場面もあるため、捜索時に自殺が多くなることもザラ。
各エリア毎にセーブポイントが存在しているが、一度エリアに侵入したらエリアを攻略するまで脱出できない。
このため、別エリアに戻ってセーブ出来ず、この場合は現エリアのセーブポイントまで攻略するしかない。
この仕様のため、セーブポイント前にゲームオーバーになると大変な目にあう。あるエリアは地獄状態に。
全体的に難易度はやや高めだが、上達を肌で感じられるバランスになっているため、受け入れやすい。
しかし、エリア4は難易度が急激に高くなるため、少なくともこの場面のみバランス崩壊という印象が残る。
『ふぶきの谷』『ふたたびふぶきの谷』は初心者殺しであり、慣れていてもすんなりクリアするのは難しい。
さらにエリア4のセーブポイントは遠いため、地獄エリアに認定されるのは間違いなくここになるだろう。
その反面、エリア最後のボス戦は数回戦うだけでパターンが分かるほど難易度が低い。
難易度の面に関してはどうしようもない面が多く、エリア1−5『タルたいほうの谷』も結構な難易度である。
加えてセーブは大人の都合により残機数の保存が出来ず、ロード後は初期の5機に戻ってしまう。
もちろんエリア1−1などに戻れば機数アップは容易だが、かなり面倒な作業を強いられることになる。
シリーズ化の布石となった数々の要素
このシリーズはSFC版で3作品、64版でも登場しているなど、
任天堂アクションゲームの一翼を担うシリーズとなりました。
どの作品も描写性が優れていますが、
シリーズ通して取り入れられている要素は隠しボーナスステージの存在や、
アニマルフレンドを使った豊かなアクション性だと思います。
今作では、ボーナスステージ発見は本編完全クリアのためだけに必要でしたが、
次回作では、このような隠し要素発見によって高難易度のステージに挑戦できたり、
大幅な機数アップといった恩恵を受けたりと進化しました。
アニマルフレンドにおいては、リストラを食らった動物もいますが、
シリーズ毎にニューフェイスが登場して戦略の幅を広げたり、
時には行動を制約してやりがいのあるステージにしたりと、
表現力にも大きく磨きがかかっています。
今回レビューしているのはシリーズ最初の作品なので、
まぁ上記のような形では無いのですけど、
それでもアクションとしてのバランスはかなり良いと思います。
触って損はしませんが、慣れると一気にヌルく感じてしまうあたりは、
ご愛嬌・・・なのかもしれません。
(※難易度の面であれば筆者の独断と偏見ですけども、次回作の方が高いです。)
(※もちろん今作のステージの中には、高難易度のステージがあります。)
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