四八(仮) |
総合評価 |
F |
失点
全国47都道府県を又にかけたホラー作品
『学校であった怖い話』などの名作を手がけた飯島多紀哉氏のプロデュース作品。
全国47都道府県に用意された怪談話や、体験をテキストと描写で味わう事が目的です。
地域によっては複数話用意されていたり、ミニゲームが用意されていたりとバラエティも加味しており、
ホラーと銘打っているだけに描写は全体的にかなり暗く表現されています。
『学校であった怖い話』は筆者が未プレイなのでよく知りませんが、
その登場人物がこの作品にも盛り込まれていることから、
それに期待する人や、全国の怪談を楽しみにしていた人の多くがこの作品を購入し、
そして見事に散っていきました・・・。
評価点と失点
評価点
47都道府県ごとのシナリオを収録し、都道府県によっては複数のシナリオや分岐による異なった展開がある。
というのも今作は、このシナリオの数と分岐の多さのみが評価点として書ける精一杯の存在である。
紛れもなく伝説級のクソゲーである。
また、伝説級のクソゲーは他にもあるが、今作は『憤死レベル』のクソっぷり
なので購入はオススメしない。
「たけしの挑戦状」のように、理不尽だが笑えるゲームとは、明らかに何かが違うのである。
シナリオはたくさんあるが、そのほとんど・・・95%くらいは観光案内や小話程度の低品質という有様。
「幽霊が出てきて怖かったです・・・オシマイ」という、小学生でも言わないレベルだから困る。
分岐システムに関しても、どこに分岐するかは完全ランダム仕様のため、同じ展開を見ることも珍しくない
。
一応、見た展開は確率こそ下がるらしいが、それでもシナリオの分岐全てをすんなり見るのは難しい。
シナリオの完成度・・・もとい、ホラーとしての醍醐味もほとんど感じられないレベルと断言できる。
作文で言えば『起承転結』の、起承しかないものがほとんど
。なので、これからって時に『完』が表示される。
また、それなら幾分はマシで、何の展開も内容もないのに1分程度で『完』になるシナリオもある
。
特にネタにされやすい広島県や宮城県あたりは悲惨どころではない。激怒して良いレベル。
コンセプトというか製作者側の謳い文句として「実際に取材を敢行!」というコメントが添えられている。
先述したとおり、観光案内レベルまたはそれ未満の薄っぺらい話ばかり
で、今更こんな話…と呆れてしまう。
ネット内では、「予算を割いて取材したんじゃなくて、観光しただけでは?」という声もあった
ほどである。
たぶんだが、上記の事によりこのコメントは何かの冗談だと思われる。悪質な冗談だが。
雰囲気はホラーっぽくはなっているが、システム面や演出面でかなり台無しになっている。
ゲーム開始時にはオブザーバー(案内役)を選択するのだが、ここで選択できる5人はどれも異質すぎる。
『着ぐるみアニメ声の女』は、顔色・表情全てにおいて演出ミスとしか言いようがないバランスの悪さである
。
また、雰囲気ぶち壊しの要素として、製作者がどうどうと画面に登場する。後述するが、正直何がしたいのか。
今作には48番目のシナリオとして『あなたシナリオ』というものがある。一定数のシナリオを見る度に始まる。
全12話あり、基本的には一本道。しかもやたらと今作をヨイショしており、先述した製作者も登場する
。
やたらと自分を誹謗中傷するネット内の書き込みを批判している。某巨大掲示板を指しているのか。
(※ちなみにこの製作者は、今作の企画・シナリオ担当者であるため、堂々と戦犯
が目立っている。)
たまに選択肢が出現するが「ゲームをやめる」を選ぶとセーブもさせてもらえず強制終了
する。
夢オチでスタートし、精神病でした・・・で終わるという短絡的かつやる気の感じられない展開。
この程度のシナリオを12話も入れるのであれば、もう少しマシなものを入れるべきだったのでは?
今作はサウンドノベルではないが、推理アドベンチャーのような画面構成とシステムになっている。
だが、それらに付き物であるはずのバックログ機能・スキップ機能が存在していない
。
そのため、先述した同じ展開にぶち当たった際には、ボタン連打などで対応するしかできない。不親切。
評価そのものが難しいゲームであることは分かったと思うが、今作の評価を決定させたのが凶悪なバグだ。
セーブ画面から抜け出す際に、×ボタンを2回押すと高確率でフリーズ、本編中でも発生する場合がある
。
初回出荷版のみというわけではなく、このバグ(仕様?)は流通しているソフト全てで発生すると思われる。
また、フリーズだけでなく、ゲーム進行・データそのものをダメにする凶悪なバグもある。
画面に四角い白枠が突如出現することがあるのだが、こうなったらそのデータは使い物にならなくなる
。
その頻度は高確率ではないものの、被害報告も複数確認されており、筆者もその1人である。
これらのバグに対して企業が行った対応もなかなか香ばしいく、「メモリーカードを送れ」というものだった。
これはまだしも、その後はお詫びの言葉とともに『ハンカチ』が同封されて返ってきた
という報告があり、
ある書き込みでは「これで涙を拭けってか?」と呆れていた。(※通常時バンダイの対応らしいが。)
今作は数万本ほどを売ったとされているため、被害者の数は結構多いと思われる。
その一端を担ったのが、今作とコラボしている悪名高き『ファミ通』で、レビューでは合計26点
であった。
もっとも、ここ数年のファミ通レビューにおいて、26点は平均以下なのだが、そういう問題ではない。
コラボしたので無闇に低い点数がつけられなかったか、プレイせず勘で採点したかのどれかだろう。
ともかく今作のレビュー結果により、「無難な点数が最も危ない」という印象を植えつけてしまった
といえる。
評価とは関係ないが、KOTY2007において圧倒的な強さで大賞に輝いた。今では伝説の存在とされる。
またこの後に、KOTYスレに『四八(仮)KOTY撤回党党首』なる人物が出現し、スレ住人をブチギレさせた。
この擁護が不可解過ぎることや、明らかに憶測でしか擁護してないのがバレたため、ネタ化している。
伝説に残るクソゲー、あるいはゴミゲー
評価を見れば分かると思いますが、筆者は今作をクソゲーというよりも『ゴミゲー』と定義しています。
もはやゲームとして成立していると見れないわけですが、とにかく面白くないのが致命的です。
まだ、笑える要素があるならば許せる部分もあるでしょう。
ですが今作はその要素が皆無(※事前に分かってれば話は別でしょうけど)であり、
いくら1480円(中古)で購入したとはいえ、その金額に見合う価値すらないです。
これを定価で購入した人には、「ご愁傷様です」としかかける言葉がありません。
筆者は基本的にホラーゲームが苦手なのですが、今作には筆者が怖がる話はありませんし、
そもそもホラーなのかも全く分かりませんでした。
バグによる違う意味での恐怖は体験しましたが、それはゲームとして致命的なものです。
はっきり言いますが、これを買うくらいなら、
その資金を全て募金箱に投函する方が世のため人のため、自分のためです。
これ以上、筆者からこのゲームにかける言葉はありません。
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