新テーマパーク

 

 

総合評価

+B

 

 

 

 

 


箱庭シミュレーションの定番ゲーム

イギリスに本社を置くブルフロッグ社が製作したテーマシリーズの言わば正統派生型。

テーマシリーズについては『テーマホスピタル』にて書いたので割愛しますが、

今回取り上げるゲームの内容は、ずばり遊園地の建設と経営です。

ちなみにこの作品の前に『テーマパーク』という遊園地経営シミュレーションがあります。

そちらはレビューしません。あえて。

遊園地と言えば、鼠とか鳥とかが二足歩行してるあそこが有名ですね。

(※明確に表現してしまうと非常事態になるので分かってください。)

そんな憧れ、夢を抱くような遊園地を自分で作ってしまえるゲームこそこれです。

アトラクションやショップを設置して客をもてなしつつ金を稼ぐのは基本。

スタッフを雇用して園内の安全性を高めたり、掃除をさせたりも欠かせません。

新しいアトラクションやショップの研究もして常にニーズに応えたり、

時にはイベントを開催して様々な客層を満足させましょう。(または誤魔化しましょう。)

料金設定や宣伝なども、言うまでも無くプレイヤーが行います。

君は誰からも愛されるような遊園地を作ることが出来るのだろうか!?





評価点と失点

評価点 子供の憧れである遊園地を、自分の創造力と想像力を働かせて好きなように作ることが出来る
腰をじっくり据えてプレイする経営シミュレーションにマッチしたコンセプトと内容である。
前作『テーマパーク』と比較して、描写性と音楽性が格段に向上し、システム周りも易しくなった
また、今作はラジカセなどの音楽機器に入れると、音楽CDとして再生することも出来る。
選択できる国は、全10ヶ国。土地の広さや起伏の有無、経済状態が異なり、プレイスタイルに影響を与える
経済状態が良ければ入園者の所持金が多く、悪ければ少なめになっているなど、差がはっきりしている。

アトラクション、ショップ、設備はどれも充実のラインナップであり、狭い土地なら建てきれない量がある。
アトラクションとショップは収入源にもなるため、如何に投資して客を集めていくかを考えるのも楽しいだろう。
イベントの設定、遊園地の宣伝、他社広告の契約などが追加された
イベントは入園者の気分を盛り上げ、宣伝することで入園者を増やしたり新規に呼び寄せられる。
前作もやる事は色々あったが、今作は前作以上に細かい点でやる事が増えて、やり応えが増している。
ゲームなので、現実に反したあこぎな商売も行える。代表的なものとして『ぼったくり商法』など。
  前作にもあった研究開発がやりやすくなっている。金額設定がしやすく、次に開発する施設の姿も見られる。
また、今作ではスタッフの研修が【バージョンアップ】という別の操作になっている。
バージョンアップはアトラクション・ショップにも実行でき、それぞれ1回につき10000を支払うことで、
定員数と耐久性の上昇や、能力アップの恩恵が受けられる。(最大9回可能。高い買い物になるが。)
  道路の舗装や施設の設置、スタッフの雇用、研究開発など総合的に自由度が高い
自由度が高い故に計画性を持った経営が求められたり、入園者に気を遣ったりしなければならないが、
この面におけるバランスは絶妙とは言わないまでも、良好であると言って差し支えないだろう。
 失点 シナリオモードにて、前作のような世界制覇を目指すことが出来るが、競売にかけることが出来なくなった
そのため、資金の持ち越しは出来ず、新天地では用意された資金と土地を使って再スタートとなる。
また、国の数も前作から激減 しており、この点に不満を抱くプレイヤーは筆者だけではないはず。
  その場所において全種類のアトラクションを開発できない。そのため、研究画面では取捨選択を迫られる。
例えば『スペースシャトル』と『マジックカーペット』は、どちらか片方しか選択できない ということである。
前作では順番こそ選べないものの、ゲーム上で用意されたアトラクションは全て研究されたのだが。
(※ちなみにショップと設備は、全て研究開発可能。最後のショップのみ、国によって異なるが。)
  先述したぼったくり商法や、経済状態による税率の違いにより、経済状態の悪い国が優遇されている
もちろん、金銭感覚がシビアな客ばかりなのだが、ぼったくり商法では、無銭であろうと徴収されるので・・・。
また、土地を見ても、ロシアは平坦かつ広大な土地であり、ブラジルも平坦かつそこそこの広さである。
一方で日本は狭くて使い辛くアメリカは広いが中央に山脈みたいな起伏がある など、癖が強い。
このように選択できる国が少ないにもかかわらず、優劣がはっきりしているのは不満を抱かざるを得ない。
  スタッフが【バージョンアップを前提とした初期能力の低さ】になっていて序盤はかなり苦労を強いられる
特にスイーパーは移動速度と掃除速度がイライラするほど遅く、ガードマンはチンピラにまず勝てない。
エンターテイナーにいたっては、初期能力ではまず雇う意味がないお荷物状態
この点では、1回10000の大金が必要な性能上昇が重要な役目であるとはいえ、バランスがイマイチ。
  今作のアトラクションは、前作のように20名以上を収容できる物がなく、ほとんどが10名以内である。
そのため、カップル(2人分)とファミリー(3人分)の扱い方と満足度の確保が難しくなっている
満足しているどころか、大多数が不満を抱いている状況・・・なんてのも珍しい光景ではない。






人によっては中毒症状を引き起こす

筆者が第2項を書き終えて、人知れず果てしなく疲れているわけですが、

どういうわけか他のゲーム以上に、内容に触れまくっているように感じた人もいるかと思います。

つまり筆者、このゲームに引き込まれてしまった過去があるのです。(いわゆる中毒ってやつ。)

経営シミュレーションを筆頭とした箱庭系は、自分だけの世界を作れるタイプのもので、

よく皆さんも小学生時代とか、自由帳に色んな絵とか描いてたでしょ。

今考えると、中二病のような何かだった気もしますが、

あの手の自分の世界に浸ることを好んでいた筆者としては中毒にならんほうがおかしいのです。

この筆者のように『行き過ぎたインドア思考』なら中毒になってしまうでしょう。

どんどん作られ発展していく自分の世界に夢を抱く。

これを世間一般では『現実逃避』と言いますが、このゲームの持つ魅力と言えるでしょう。

ただし、しばらくやっていくと宣伝してもお客が来なくなるなどの突然やってくる恐怖もあったり、

スタッフにボーナス出してあげないと仕事してくれなくなるなど、

シビアな面もあります。

何度も言いますが人を選ぶ代わりに、選ばれた人は中毒になってしまうゲームとして覚えてください。







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