バスト・ア・ムーブ |
総合評価 |
C |
ノリが勝負のダンスバトルゲーム
エニックスが音楽ゲームの流れで出した(と筆者は思っている)ゲーム。
10名の個性的なダンサー(+隠しキャラ3名)がタイマンでダンスバトルをしていき、
最終的にはロボーZという巨大ダンスロボットを倒して目的を果たすという流れです。たしか。
各キャラには専用曲があり、対戦相手のテーマ曲でダンスバトルを行います。
途中でジャマーという妨害攻撃をしたり、それを回避したりと駆け引きがあります。
(※この攻防、慣れてしまうと味気が無い。詳細は後述。)
コマンド入力は、4拍子中に表示された方向どおりに十字キーを入力し、
最後の4拍目で対応するボタンを押すという繰り返し。
単純ながらも慣れるまでは難しいゲームです。
評価点と失点
評価点
90年代後半に世間で流行した音ゲーの波に乗った作品だが、ゲーム性はそれなりに高い。
十字キーとボタンによるリズムアクションは手軽であり、一般的なユーザーなら迷うことはありえない。
操作方法が理解しやすい点や、複雑な操作を強要されないため、操作性は良い。
もちろん、高得点狙いや勝利狙いのためには、難しいコマンド入力とボタンを押すタイミングが求められるが、
これはプレイしていくうちに何とかなる範囲でもある。自分に合ったキャラを選んで極めるのが吉だろう。
演出面に力を入れている。特にダンスの動きやエフェクト、ステージの変化は目にも楽しい。
基本的には入力するコマンドに視線が集中するのだが、それでも背景の変化はとても分かりやすい。
選択キャラは初期で10人、隠しキャラ含めて13人と、なかなかの多さを誇っている。
ダンスモーションやコマンドなど個別に用意されており、エンディングも異なるので、ゲーム寿命は短くない。
炎を使う元レーサー・食いしん坊・マッドサイエンティスト・コスプレ女・異星人など、面子もユニーク。
相手を妨害できる『ジャマー』により、駆け引きが熱くなっている。特に対人戦は、意外と盛り上がるかも。
各キャラに専用曲が用意されており、ストーリーモードでは相手キャラの曲でダンスバトルを行う。
専用曲そのものには、個人的にムラこそあるが、良曲が多い。ラスボスの曲は特に熱い。
失点
発売当時の音ゲーブームもあるが、後出しゆえに『既存の音ゲーの模倣』というイメージが残っている。
ゲーム自体はコマンド入力式なのだが、それもパラッパラッパーの二番煎じ感がやや否めないところか。
演出面は高評価だが、それを上手く表現するだけの描写性ではない。画質的にはやや汚いレベル。
当時のエニックスは、3D映像にあまり強い会社でもなかったと思われる。(ドラクエZやグレイテストヒッツ)
この手のゲームには付き物だが、上達すると急に面白味が薄れてしまう作りになっている。
上級者向けキャラ・コマンドがあるのだが、成功すれば高得点連発になるため、あっさり勝ててしまう。
CPU側も、難易度の補正こそ受けるが、慣れた人間のような強さには全く至っていない。
先述したように、慣れた場合の面白味の希薄化を象徴させているのが『ジャマーの存在意義』である。
通常は、相手の妨害で使えるのだが、ジャマー発動の演出が入ることや、タイミングが次の小節になるため、
慣れたプレイヤーであれば、容易く回避できてしまう。駆け引きが弱まるのは結構痛いところ。
ラスボス戦では、設定上仕方ないものの、自分の操作するキャラが極小サイズでしか確認できない。
詳細はネタバレになるので割愛するが、ラスボスのみが目立つ構成になっているので戦っている感じが薄い。
また、このラスボス戦の構成や演出などは、次回作でも継続されている。
見た目は凡庸、中身はそれなり
グラフィックやムービーの仕上がりはお世辞にも良いとは言えません。
パッケージも比較的簡潔なものと言えるデザインですので、インパクトは薄いと思います。
しかしそれで敬遠するのには惜しいゲームと言っても良いかもしれません。
グラフィックの粗さは、プレイへの影響があるほどでもありませんし、
音ゲーの亜種として、BGMとして良いと思える曲もあります。(※筆者はサントラも購入済み)
2011年現在では、立派なレトロゲー扱いになってるはずですので安価で入手できます。
まぁ入手するなら、これも良いですが続編の方が良いかもしれません。