ストリートファイターU

 

 

項目

評価

面白さ

操作性

快適性

描写性

音楽性

 

 

 

 

 


格ゲーブームの走りが、携帯ゲーム機にも登場

アーケードゲームだけでなく、ゲーム業界全体に旋風を巻き起こした名作格ゲーの移植。

初代ではなく、続編となるストUを外でも手軽に遊べるようゲームボーイで販売。格ゲーブーム継続を狙った。

今作は、ストリートファイターUの面白さを残した形式・・・とは言えない、

とにかく格闘ゲームなんだけど何の目的で消費者に投げつけたか理解できない作品 へと退化しています。





無茶にも程がある移植は黒歴史へと繋がった

SFC版『ストリートファイターZERO2』のレビューでも散々書きましたが、

マシンの性能を考えていないと思える移植をしてしまった作品はかなり多く見受けられます。

カプコンも無茶移植が好きなようで、今作も例に漏れず大失敗しています。

この作品の失敗を反省したのかどうかは不明ですが、その後にZERO2でやらかしてますし。

(※ただしGBAで登場した『スパストUXリバイバル』はなかなかの作品です。)

まず、スペックの問題があるのは仕方ないとしても、名作タイトルのハードルの高さは考慮するべきでした。

キャラ数は四天王含めて12人だったところを、9人に削減。(ダルシム・エドモンド本田・バルログを削除。)

キャラの動きはマシンスペックの問題とはいえ、ぎこちないカクカク迫力も臨場感もほぼ皆無

キャラグラフィックはドットで上手く表現されており、描写はそれなりに良いのですが、

モーションの少なさ、先述した動きのカクつきが問題となっており、良さも台無し状態です。

特筆すべき問題点は、操作性の悪さ。とにかく操作がしづらく、難易度にかかわらず不快。

そもそも波動拳・昇龍拳といった基本的かつ馴染み深い必殺技が出せないほどの酷さです。

こっちは必殺技を出そうと、したくもない不可解な動きをしてしまう一方で、

CPUはお構い無しに簡単に必殺技をぶっ放してくるため、ストレスは操作1個単位で増大。

もはや格闘ゲームどころか、ゲームとしてすら成立していないのではないかと思えてきます。





褒める点もあるが全体的に擁護不能

グラフィックはアーケードやスーファミ版のような等身キャラがドットで表現されており

ゲームボーイというハードにしてはなかなか良く出来ていると思います。

音楽性に関しては、和音数が少ないというハードの性質を踏まえても、再現度はそこそこ高めで、

元が良い曲ばかりなので評価できる点であると言えます。作曲した下村陽子氏のセンスの高さには頭が上がりません。

しかしビジュアル面の評価部分でどうにかなるようなゲームであるはずがなく、

先述した問題点の数々は見過ごせませんし、最悪レベルの操作性は擁護不可能です。

他社製品の話になりますが、熱闘シリーズのようにキャラがデフォルメされていれば容量の関係上、

もう少しマシになれたかもしれません。拘りが仇となったと言えるでしょう。

原作の完成度が非常に高い名作ゲームだけに、今作の失敗は酷いを超えたレベルでしょう。

どうやらファンだけでなく販売元からも「そんなゲームは初めからなかった」という扱いになってるようです。

ビジュアル面の評価は出来ますが、それ以外はクソレベル。

少なくとも現在、このゲームをやる必要は全くありません。スーファミ版の方が比較にならないほど良いですし。







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