たけしの挑戦状 |
総合評価 |
F |
失点
北野たけし監修の現実逃避アクション
かつて業界最大手に君臨したタイトーが北野たけし(ビートたけし)氏に監修を依頼したソフト。
たけし氏が提案した様々なアイディアを取り入れ、何がなんだか分からなくなった事で有名。
プレイヤーは普通の妻子持ちサラリーマン。
ひょんな事で普段のありきたりな生活から脱却し、海外へ宝探しをすることに。
会社を辞め離婚をし、酒におぼれて喧嘩をし、宝の地図を獲得し・・・。
案外やることが多いし、出来ることも多い自由度の高さを追求したゲームですが、
何を隠そうこのゲーム、伝説のクソゲー筆頭
と呼ばれるほどの逸材なのです。
評価点と失点
評価点
当時としては、アイディアを盛り込もうと試みた意欲作とも言えなくない要素とシステムである。
街中の施設の多くに入ることが出来、買い物や会話もすることが可能なので、目的を無視して散策できる。
主人公のアクションは、殴る、しゃがむ、ジャンプといったシンプルながら分かりやすいものとなっている。
特にジャンプ力に関しては町人を含めて凄まじい跳躍力を見せてくれるため、注目すると面白い。
伝説のクソゲーらしく、各地で頻繁にネタにされるため、その点での盛り上がりはバッチリといえる。
紛れもなく伝説級のクソゲーである。
理不尽と言われるほどの難易度の高さは、もはや誰にプレイして欲しいかすら見失うレベルといえる。
とにかく謎解きやゲーム進行のための手順が、開始直後からさっぱり不明である。
キチ○イといえる難易度を象徴するのが、先述した理不尽さ。特にゲーム中にヒントらしきものがない。
『完全にない』というわけではないのだが、とにかく理解できる範囲にないため、詰む確率は極めて高い。
詰む要素として『宝の地図の入手条件』や『退職・離婚』『必要なアイテムの選別と入手』は有名だろう。
『宝の地図入手後に、リアルに1時間放置する』という条件を、すぐに把握できる人がどれだけいるだろうか。
ハングライダーで島を目指すシューティング面も存在するが、操作性・難易度など全方位で殺す気満々。
鳥に当たって即死するので、何度もゲームオーバー画面を見せ付けられる。理不尽というか狂っている。
ついでに言うと、そのゲームオーバー画面は『主人公の葬式』という場面である。悲しくなると同時に笑える。
とにかく各地でヒントの存在しないフラグを立てないとクリアできない。
特に終盤や最後の最後でどんでん返しを味わう可能性も非常に高く、筆者の心を何度もへし折っている。
BGMは常時変化せず、高音のノイズ的なBGMを延々聴くことになる。精神的な追い討ち要素。
ゲームとはあまり関係ないが、当時80万本以上を売り上げており、各地でクリアー出来ない人が続出した。
攻略本の出版企業には「攻略本を見てもクリアー出来ない!」という苦情が殺到。大パニックになったという。
(※出版社は「担当者は死にました」と言うしかなかったらしい。もちろん出版社は悪くないのだが…。)
伝説のクソゲーにマジになってどうするの
クソっぷりは先述したとおりの見事さ。一呼吸置かずにクソゲーと言い放てるほどの代物です。
このゲームには一応エンディングが用意されています。
ノーヒントでクリアできたら神です。マジで。
また、エンディング画面でちょっとした事がありますが、まぁ・・・ね。
とにかくこのゲーム、本気で攻略してやろうという気持ちでやるべきではありません。
様々な建物に入れたり、殴り殺したり、買い物したりと自由度は非常に高く、
ラフな気持ちでフィールド移動を楽しむというスタンスが望ましいかもしれません。
面白さ2点の理由は、諦めの表情をしながらプレイしたら良いということです。
とにかくアイディアを詰め込みまくったまでは良いとして、
それを生かすほどの製作期間と技術が無かったのがそもそもの原因でしょう。
まぁ技術力に関しては当時の状況を把握しておけば良かったのだと思うところです。
ただこのゲーム、マジにならなければ案外面白いかもしれませんね。
※2013年01月追記※
クソゲーとはいえ、笑って済ませる要素も散見され、現代のものとは一線を画していると言えます。
とにかくアイディア勝負で自滅した結果がコレ。このアイディアなどは、先の時代でやるべきだったと思います。
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