うそつきかがみ |
ドラえもんとのび太は無二の親友のような関係にあります。
親友が欲しい。ハルジオンです。
さぁ、何を急に変な事を言い出したのかは気にしないでもらうとしまして、
いよいよ破壊された話のドラシリーズ第6回に突入です!
更新状況を顧みれば、
溜まった分を一気にアップしてる事になるので、
お前いい加減サボるなよという悲痛な声が届いてる気もしますが、
ハルジオンさんは色んな意味で忙しいので勘弁してくださいませ。
さて、コミックス第2巻から『うそつきかがみ』というお話をお送りします。
ドラえもんが出す秘密道具がそのまま題名になっています。
間違っても某アニメの某ツンデレがうそつきだったとかそういう展開じゃないので、
この時点でその間違った結論は捨てるようお願いします。
(※念のため言っておくと、ハルジオンさんはアニメに全く詳しくありません。)
では、前置きも早々に本編に参りましょう。
場面はのび太の部屋。
そこに鏡があり、のび太が覗き込んでいます。ここで違和感。
写ってるのび太の姿が実物よりも超絶に美化されています。
うそつきかがみの話術に躍らされて自分が美男子だと思い込むのび太。
そこへドラえもんが無表情で乗り込んできます。
どうやら、うそつきかがみを出しっぱなしにしていて、しまい忘れていたようです。
物語を作るための都合とはいえ、何故そんなものを出しっぱなしにしてたのでしょうか。
うそつきかがみの本性を知っているドラえもんの事ですから、
使っていたなんて事は無いだろうと思います。
ドラえもんも、うそつきかがみを信用するなとのび太に言っていますし。
しかしこの道具の魔力は非常に恐ろしかったようです。
のび太は「いや、アレこそは僕の真実の姿だ!」と信じて疑いません。
都合よく毒されています。
そう、この物語は色々と都合よく物事が運んでいく特徴があるのです。
そしてこれまた都合よく話は進んでいきます。
ガチャン!
なにやら居間の方で物凄い物音が!
フォントを見ても随分と汚らしい音なのが分かります。
のび太が駆けつけるとそこには驚くべき光景が。
ドラえもんが居間でボウリングをしようとして、
鏡にボールをぶつけて破壊していました。
何しとん!>ドラえもん。
常識的に考えてそんな狭い場所でご丁寧にピンまで並べてやる事は無いだろ!
反省の表情をしても無駄です。
まぁ仮に鏡にぶつからなかったとして、
どうやってボールの勢いを止めるのでしょう。
かがみは助かっても、壁かふすまは絶対に助からないでしょう。
さぁ、かがみを壊してしまった事により、
ドラえもんは代用として、うそつきかがみを出すはめになりました。
このかがみの恐ろしさはここから本領を発揮します。
のび太ママ(玉子さん)を美しい姿に見せるや、こんな助言を。
『髪をちょんまげになされば、さらに素敵です。』
それを鵜呑みにするママもママですが、
どうやらこの世界の人間は、うっとりしてしまうと物事の優劣が分からなくなるようです。
ママもご機嫌に美容院行ってこようとか言っています。
美容院の前に病院に行きなさい。
あ、狙って言ってるわけじゃないですよ。
そこでのび太が再びかがみを部屋へ持って行き、美化された姿に現を抜かします。
ここで、うそつきかがみの悪魔の助言が炸裂する事になります。
のび太が美男子なのに目立たない理由は、
表情に工夫が無いからであり、工夫すればハンサムになるというのです。
現代で言えばイケメンになるという事でしょうか。
さぁ、その工程をじっくりと御覧下さい。
ちょっとまゆを寄せる。
口元はきりりっと男性的に。
髪は無造作な感じに乱す。
目は互い違いに。
パンパカパーン♪完成!
コレで君も水嶋ヒロに!(信じないで下さい)
ってわけで、凄いのび太が出来上がりました。
コレに関してはコミックスを実際に見てもらうしかありません。
コレをイケメンと認定するかどうか、皆さん自身で決めてみると良いでしょう。
認定した人には、
もれなく優秀な精神科医を紹介します。
さぁ、そんな凄いのび太を皆に見せようと部屋を出て、
まずはかがみを修復したばかりのドラえもんに見せます。
『なんて顔してんだ』
流石はドラえもんと言うべき冷たい表情で言い放ちます。
するとすかさずドラえもん。激怒のリアクションで対応。
本物の鏡で真実ののび太を見せると、
のび太がボーリングの玉で修復したてのかがみをぶっ壊してしまいます。
コレにはドラちゃんマジギレ(#゚Д゚)
そりゃ、直したばかりだし、うそつきかがみを無断で使って
勝手に思い込んだ結果コレですもん。
そしてドラえもんの追撃を振り切って裏山へと逃げ込んだのび太。
もちろんうそつきかがみは手放しません。
それにしても恐ろしいですよこの鏡。
すんなり人をはめる話術を持っているのでしょう。のび太は信じて疑いません。
ドラえもんに酷評されたスタイルに戻して街に向かいます。
道中、しずちゃんに惚れられるという
身勝手な妄想をしつつ、しずちゃんの家に。あいにくしずちゃんは外出中。
しずママものび太さんを新種の微生物を見るような目で、
『変な顔してどうしたの、おなかでも壊したの?』
と言いますが、のび太には聞こえてないようです。というか聞いてないようですね。
すると今度は裏山の場面へ。
バレーボールの練習をしているしずちゃんがうそつきかがみの存在に気付いてしまいます。
しずちゃんもこの鏡に毒される事になります。
しかもベルサイユの薔薇風の描写で気合入りまくりです。
しずちゃんの変身した姿については省略します。
とりあえず、美少女という姿にはほど遠い。(´・ェ・`)
で、数コマすっ飛ばして場面は夜。
子供たちのお母様たちが、あたいの坊やはどこ行った!?という慌てた様子で話しています。
それに気付いたドラえもん。
コレは紛れも無くあの邪悪なかがみの仕業であると悟り、裏山へ急行します。
そこにはかがみに毒されてしまった可哀想な集団が。
ジャイアンなんか、あっち系のようなポーズでうっとりしちゃってます。
よし、まとめて護送車に乗せようぜ!
というわけにはいかないので、ドラえもんはタケコプターで、
空中から鏡を回収してしまいます。
激怒したドラえもんは、空中から鏡を落として破壊しようとしますが、
意思を持つかがみは必死に命乞いをします。
鏡のくせに汗まで流しています。
でまぁ、ドラえもんは空中から思い切り地面に投げつけようとしていたわけですが、
万が一ですよ。下に誰かいたらどうするんでしょうか。
僕なら下にいる人に向かって、
『志村!上!上!』
と叫びますが、それはそれで怪しいですよね〜。
物語はいよいよ終わりに向かいます。
帰宅したのび太は、三振したバッターのような表情をしながら
『かがみ・・・かがみを見たいよう』
と呟きます。
コレ、某アニメのキャラの事であるならばのび太は立派な御仁です。違う意味で。
部屋に戻ったらドラえもんとうそつきかがみが。
のび太を物凄く不細工な姿に映して『あなたは、本当はこんな顔です。』と言い放ちます。
最後の最後まで真実を映し出さなかったうそつきかがみ。
この物語に相応しい終わり方ではありませんか。
この映し出された姿もコミックスで御覧下さい。とりあえず人間ではない。
さぁどうでしたか。
何かに依存するとそれにばかりこだわる人間の隠された本性が分かると思います。
つまりはいったん信じたものを疑わずに信じきってしまう事は、
時として危険であるわけです。
どっかの核推奨国に言ってやりたいですが、まぁスルーという事で。
もしも、このうそつきかがみのような幻術を操る代物を手に入れたらどうしますか?
一日中眺めていますか?
自分の姿はこのかがみの姿だと信じますか?
負けない自分の意志を大事にする。良い教訓が学べる話でした。
お、凄く良い感じに終わった。
でも、こんなはずじゃなかったんだ・・・。