前回のあらすじ
教育制度完全否定、無気力全快のび太さん復活!
・・・さて、変な空気になったところで続きです。
しずちゃんと楽しく遊び、昼御飯もご馳走になったのび太とドラえもん。
自宅に着き、テレビが置いてあるリビングに行くと、
パパとママが喧嘩をしています。
ドラえもんが困り顔で「まだ喧嘩してる。」とボソッと呟き、
次のコマでは、その喧嘩がヒートアップして両者とも疲れている様子が伺えます。
パパ「え〜い、勝手にしろ!!」
ママ「勝手にするわよ!!」
そして背中を向け合う2人。マジ喧嘩ですよ。
パパがこんなに怒るの珍しい光景ですし、ママにいたっては泣いてます。
そして過去の話を出してお互いが変わってしまったことを嘆きます。
ママ「昔のあなたはそんな人じゃなかったわ。もっと優しくて親切で……。」
パパ「君こそ!新婚の頃は、もっとおとなしくて初々しくて……。」
うーむ、互いに寂しさがあるというか不満があるというか。
ちょっと複雑なんですね。でも真面目な話をすると、
人間ってのは時間と共に少なからず変化するのですよ。
それが緩やかな変化なのか、急激な変化なのかは個人差があると思うけどね。
というか、何が原因で喧嘩してんだよ>パパ&ママ。
そこへドラえもんが「え〜、ただいま帰りました。」と半笑いで話しかけます。
この青狸の表情もそうですが、「え〜」の部分が少しばかりウザさを表現しています。
そしてその手にはハジメテンなる薬物を握り締めています。
飲ます気満々ッスねドラちゃん。
すると次なる獲物が出現したのを見計らったかのように両親がドラえもんとのび太に説教。
その口を開けた瞬間、ドラえもんがハジメテンをポイ。
薬を飲んだ2人は向き合って「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」のまま。
おい、何だその妙な間は。
すると次のコマで手を取り合って即和解。
パパ「幸せだなあ、こんな素敵な女性が僕の奥さんだなんて。」
ママ「私こそ。あなたより男らしくて頼れる人、この世に居ないと思うわ。」
ハッピーエンドです。両者とも穏やかな表情になり初々しさが戻っています。
この2人の年齢と結婚してからの時間を考えると、
若干気持ち悪いですが、
まぁそれは気にしないでおきましょう。水を差しちゃ悪いです。
さて、喧嘩もすんだ事ですし平和が戻りました。
しかしドラえもんの不安はまだ別のところにありました。
それは前回書いた序盤のシーン。のび太の登校拒否の気配です。
ドラえもんは寝る直前に、
「明日の朝もこの薬を飲むんだぞ。学校へ行く気になれるから。」
とのび太に言います。
しかしのび太は、パジャマに着替えながら何やら目線を上に向けています。
何か考えている・・・のでしょうか。ドラえもんも不安そうです。
場面は消灯したのび太の部屋。のび太は布団に入った状態で考え事です。
「初めは新鮮な感動があったんだな、何事も……。」
うんうん、そうですね。
例えば記憶上初めて電車やバスに乗った時とか凄い新鮮だった気がします。
ほぼ四角形の鉄が移動するんですからビックリですよね。あははははは。
・・・失礼しました。
「僕が初めて学校へ行った時はどんなふうだったんだろ。」
「感動したかな……。するわけないよな。」
あぁ、何だか筆者はこの場面で少し涙目になってしまいました。
何せもう20代半ばですから、こういう感じに昔を思う事が度々あったりするんですよ。
あの時はあぁだったなぁ・・・みたいなね。だからのび太がこう考え事をする気。僕は非常に分かります。
ただそんなにネガティブに考えなくても良いんじゃないかなー。
そしてのび太はパジャマ姿でタイムマシンへ。しっかり靴持ってます。
時は、のび太が小学校へ初登校する前夜。
のび太は過去の自分の庭に着地し、家の中から発された嬉しそうな声を聞きます。
小さな男の子の声、それは小さい頃ののび太でした。
何でこんなに嬉しそうな声を出しているのか。その答えは簡単です。
「嬉しいな。明日から1年生♪」
幼き頃ののび太は、明日から小学校が始まることを楽しみにしていたのです。
肩にランドセルを背負って走り回るのび太少年。見るからに楽しそうです。
パパ「毎日ランドセル背負って明日を楽しみにしてたからな。」
そうか、うん、そうですよね・・・。誰だって例外はあるんだろうけど楽しみだよね。
学校には一緒に遊べる友達がたくさんいる。
色んな事を教えてくれる先生もいる。
のび太少年が希望を抱きながら楽しみにしているのも頷けます。
そして楽しみにしながら布団に入るのび太少年。
「早いものだなあ。ついこないだまで赤ん坊だと思っていたのに……。」
「学校がのび太にとって楽しいところだといいがね。」
とパパ。
あーダメだ。この状況で筆者、何も横槍を入れる気分になれません。
いつもの筆者なら空気を読まず、
「おい現代のび太、聞いたか?コラ。」
とか言うんですけど、流石にこの場面を見せられたら・・・ねぇ。何もいえねぇよマジで。
悲しげにうつむいた状態の現代のび太。
あの頃は学校へ行くのが楽しくてしょうがなかった・・・その思い出を振り返っています。
「いつからどうして……。こうなっちゃったんだろ。」(´・ω・`)
・゚・(つД`)・゚・ ウェ―ン
(※次の文章を書くまでに筆者が3分ほど泣いています。しばしお待ちを。)
失礼しました。もう大丈夫です。しかもお婆ちゃんがシーンに居なかったので感極まって…。
よし、気を取り直して続けましょう。
場面は朝の野比家。ドラえもんが前日の勢いそのままに薬をのび太に投与したがっています。
しかしのび太は「飲まない。」と拒否。
( ; @ 3 @ )
↑のび太の発言を受けてのドラえもんの表情はこんな感じ。
まぁ飲まないとだけ言われたら、ドラえもんも困惑しますわな。
焦るドラえもんは、1階にいたパパとママに協力を求めます。
ついでにもう1回、ハジメテンを飲ませやがりました。
中毒症状起こさないか心配です。
ママ「あらっ、今朝はのびちゃんが学校へ行くんだわ。」
パパ「そうだ!いよいよ学校へ行くんだ!!」
ドラ「その学校をやめると言い出したんだよ!!」
パパ&ママ「えっ!?」
はい、何か妙な寸劇っぽいのが数コマにわたって展開されております。
というかパパとママ、初々しくなりすぎ。
あとドラえもん、その発言は昨日ののび太バージョンだから。
ってなわけで朝っぱらから騒然とする野比家です。
(※重要な点として、8割はドラえもんのせいです。)
まぁドラえもんがパニックになるのも無理はありませんけどね。
昨晩ののび太の行動を知らないわけですし。
パニック状態のドラえもん、そこにのび太がランドセルを背負って階段を降りてきます。
ドラえもんが「あれ?行くの!?」とビックリ。
のび太はこう宣言します。
「学校を嫌がってばかりいちゃしようがないからね。」
「薬の力なんか借りないでチャレンジしてみる。」
よくぞ言ったのび太!
まぁ冷静に考えると昨日の発言がアリエナイことなんだけどさ。
それでも前向きになったことは進歩です。このままを維持してくれれば良いさね。
まぁ日々の反省はしっかりするべきだろうけどよ。
とにかくドラえもん嬉し泣きです。メッチャ泣いてるよ青狸。
そしてパパとママがのび太をお出迎え。
パパ「一人で大丈夫か?」
いやいやいやいや、どう見ても大丈夫だろ。コミックス第1巻の第2話で言うならともかくさ。
そしてハジメテンの効果が持続したままのび太をお見送り。
パパ「気をつけてな〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
ママ「おしっこしたくなったら先生に言うのよ!」
ほんと、何か色々と微笑ましいですねー。(棒)
まぁハジメテンの効果だし、8割以上ドラえもんが悪いし。
という事で、初々しさこそないものの、気持ち新たにのび太は学校へ行くのでありました。
今回は初々しさ、および新鮮な気持ちとはどういった物だったかがテーマでした。
このテキストを見ている人は、年代がまちまちだと思いますので断言できませんが、
少なくとも筆者のように20代以上の人にとっては中々感慨深い内容だったと思います。
序盤は『いつものコイツらか・・・』という感じでしたが、
中盤以降は、新鮮な気持ちとは何かというテーマに移行し、
上手くドラえもんらしいコミカルなまとめ方をしています。
途中で筆者がマジ泣きしたのは内緒の話です。しかも職場の空き時間に・・・。
初々しさとは、年齢を重ねるごとに失われていくものです。
筆者は初々しさをかなり失っていると、この話をまとめている内に実感しました。
あの頃の感動、そして輝きというものは何だったのか。
そしてその時、自分はどういう状況であり、どう考え、どう思ったのか。
1つ1つ思い返すとそれだけで時間が足りなくなってしまうほどです。
言ってしまえば作文用紙が200枚程度は必要です。
小〜高校生の人は、まだ初々しい時期でもありますし、あまりこの話で何か感動に浸るのは難しいかもしれません。
それでも大人になれば分かるようになってきます。
なんだか自分の思い出をほじくり返された感じもしますけど、最後に一言。
「時に振り向いてみよう。後悔を恐れるな。」
僕の恩師の1人が残したこの言葉をつい思い出しちゃったよ。
自分への戒めの言葉・・・とでも言っておこうかね。