2012年3月となりましたが、このテキストを執筆している現在はまだ寒さが残っています。
というわけで、まだストーブやコタツと過ごしている状況は変わりません。
寒さよりも実は乾燥の方が怖かったりするけどね。ハルジオンです。
さて、今回も第29巻より『自動買いとり機』をお送りすることとします。
今後もまたしばらくは29巻から取り上げることになりそうです。
どんだけ29巻にネタが凝縮されてんだって話ですよね。まぁ良いじゃないか。
いつもの三行解説
ママから貰ったおつかいの代金を取り戻すため自動買いとり機を使い、
自分の漫画を買い取ってもらいまくるが大事なものまで買い取らせてしまい、
困った果てに1万円をゲットして事なきを得て、パパが可哀想になる。
本当にこの解説続けて良いんだろうかとたまに思いますね。
嘘は言ってないんだけどさ。ではスタート。
場面は猛暑の中、おつかいに向かうのび太から。
表情が既に限界に達している感じなので余程熱いのでしょう。盆地かここは。
道中、美味そうにジュースを飲みながら歩く少年とすれ違い、羨ましいと嘆きます。
おもむろに周囲を見渡すと自動販売機を発見。
のび太さん、何かに誘われるようにお金を入れ、ジュースをゲットだぜ!(゚∀゚)
ジュースを手に取った瞬間、スゲェ表情で我に返るのび太氏。
なんとママから託された買い物のためのお金を使ってしまったのです。
この様子を見る限り、マジでギリギリの代金しか渡されてなかったようです。
ママがケチなのか律儀なのかよく分かりません。
さて、困りました。これでは買い物が出来ないためママに怒られてしまいます。
読者の方々はもう既にご存知だとは思いますが、
のび太のママ(たまこさん)は、怒ると『絵に描いたようなオニババ』になるので、
幾分ではありますが、のび太の生死にかかわります。
「返すからお金戻してよ・・・と言ってもダメだよね。」
と自動販売機に投げかけますが、もちろん自動販売機にそんな機能はありません。
というか、自動販売機に中の人など存在しない!
ということで絶体絶命です。こっそり帰宅して作戦を練ることに。
作戦を練るといっても作戦で何とかなるものでもありませんので、
当然この流れはドラえもんに助けてもらうルート直行となります。
早速部屋に入るなりドラえもんにSOSですが、
ドラえもんがドラヤキ片手に、何かの機械とにらめっこしています。
のび太が不思議そうに何してるのと尋ねると、
うっかりドラヤキを買い過ぎたので不味くなる前に買い取ってもらおうとしてる
という解説をします。
ドラヤキを機械に投入すると、お金が出てきました。
どうやら機械が品物を相応しい値段で買い取ってくれているようです。
これこそ今回の秘密道具である『自動買いとり機』です。
するとのび太は、先ほど無意識に買ってしまったジュースを買い取らせます。
100円が戻ってきました。
どうやら未開封の新品だったので元の代金で買い取ってくれたようです。
のび太さん、嬉しそうな表情で再びおつかいへ。
帰宅してママにおつかい終了の報告。
のび「買い物してきたよ。ジュースなんか飲まなかったよ。」
ママ「当たり前です。」
という普通なのに何故か滑稽なやり取りがあるのも見逃せないところですね。
さて、自動買いとり機が便利であることに気付いたのび太さん。
ドラえもんに何でも買い取ってくれるか質問したところ、
先ほど筆者が書いたとおり、相応しい値段で買い取ってくれると説明します。
するとのび太は、何度も読んで飽きた漫画を買い取ってもらうことにします。
漫画のタイトルは『エスパー君』です。
これたぶんですけど、『君』の読み方は『きみ』だと思います。
よく見ると作者名がフニャコフニャオです。
ということは・・・御馴染みの藤子F不二雄ネタですね。わかります。
このコンテンツでいえば『オハゲのO太郎』以来です。
しかしながらこの本はかなりボロボロになっています。
これって定価で買い取ってくれるんでしょうか。
ブック○フですら拒否られるレベルじゃないでしょうかね。たぶん。
買取金額10円(チャリーン♪)
そりゃそうだ。(byドラえもん)
本は少しでも傷や汚れがあると古本扱いですからね。まぁこの金額になるのも無理はないでしょう。
そもそもボロボロなのに10円で買い取ってくれたのは親切すぎるほどです。
しかし買い取ったお金で新しい本が欲しいのび太少年は、
次々と自分の所有している本を機械に投げ込んで小銭を稼ぎます。
華麗に本を機械に向けて投げ込むのび太。
それをシラけた表情で眺めるドラえもん。
何だこの面白すぎるコマは。
さてさて、小銭稼ぎの甲斐があって360円をゲットしたので本屋で新品の本を購入します。
今回はなにやら計画的な両者です。
まず手をしっかり洗って、本にカバーをかけ、息を吹きかけないで慎重に2人で読みます。
説教くさいことを述べながら読むドラえもんですが、
何故かこの場面であぐらをかいて座っている描写がより面白く見えてしまいます、何故だろうね。
読み終わって満足した2人。そして読み終わったばかりの本を自動買いとり機へ。
すると定価の代金で買い取ってもらえました。やったねのびちゃん!もう1回買えるよ!
そして本屋でまた新しい本を購入。これを繰り返せば・・・フヒヒ。
帰宅する道中、空き地の土管にたむろしているスネ夫とジャイアンを発見。
のび太は2人に向けて「本屋の漫画、全部読んじゃうんだ。」と宣言。
また余計なこと言いやがって・・・。(筆者心の声)
やっぱり追いかけられるのび太。見せろと脅迫するスネ夫とジャイアン。
変なところで追いかけっこ開始です。
結果は、本をドブに落としたのび太の完全敗北です。
泥まみれになった本を拾い上げて嘆き顔ののび太と、やることやった感じで退散するスネ夫とジャイアン。
また、ジャイアンの服装についてちょっと触れますが、
横文字で『GIANT』と書かれた服を着ています。
何でしょうその自己主張は。
さてさて、困った困った。
新品の本を開封する前に中古以下にしてしまうという大惨事です。
これで先述した『本屋完全制覇宣言』は台無しになりましたが、
やって来たしずちゃんの一言で凍りつくことになります。
しず「こないだ貸した本返して。」
のび「こないだ・・・・・・?」
ん、なんだか嫌な予感がするなぁ。
するとのび太さん、何か心当たりを思い出したように「ああ!!(゚Д゚;)」と一言。
もしかして自動買いとり機にぶち込んだのでは・・・?
焦るのび太。早く返せと必死のしずちゃん。
そそくさと帰宅して部屋に着くなり大泣き大慌てののび太と、
重大事を知ってビックリのドラえもん。
どうやらしずちゃんから借りた本を自動買いとり機に投入したことが確定した模様。
するとドラえもんが、取り戻せないこともないとアドバイス。
しかしその条件は結構ハードで、
【1時間以内に買い取り金額の10倍を返還すれば買い戻せる】
というものです。
しずちゃんの本の買取金額は230円。
つまり2300円を確保しなければゲームオーバーです。
(※この時代の2300円は現在以上の価値があります。たぶん。)
さあさあタイムリミットは間近に迫っているぞ。何とか2300円を工面しなくては。
そこで先ほどドブに落とした本を買い取らせることにしました。
買い取り金額1円(チャリーン♪)
いや、むしろ1円で買い取ってくれたことを感謝するべきだろうね。
残り10分。もう一刻の猶予もありません。
泣き叫ぶのび太。何か無いかと探しに行くドラえもん。
家を軋ませる大嵐。そして生まれる恋・・・。
おっと、筆者の現実逃避などどうでも良いのだ。時間が無いんだから急げ2人とも!
ドラえもんが持ってきたのは大量の古新聞と雑誌。
焼け石に水ではありますが、やらないよりはマシでしょう。
というか素朴な疑問なんですけど、
買取する対象が紙限定なのはどういうことなんでしょうか。
何なら勉強しないのに置いてある勉強机でもぶち込みなさいよ!(そんな無茶な)
さて、火災現場付近で見るバケツリレーのような光景を見せつけながら、
どんどんと買いとり機に古新聞と古雑誌が投げ込まれていきます。
それに対応するように吐き出され続ける小銭。
何が何やらよく分からない必死の場面です。
そしてこの作業に飽きたのか、諦めモードなのか、のび太がある雑誌を開いています。
そこには女性の裸が!
おいのび太!小学生のくせに興奮してんじゃねぇ!
ここで俺にも見せろと言わないのが大人の対応ですよ。いや、そんな目で僕を見るな。
そんなのび太から本を取り上げ、自動買いとり機に投入。
するとその本の買取金額がなんと10013円!
うぉ、なんという高額!そして中途半端な数字!
しかしながらですよ。
これでしずちゃんの本を買い戻す代金が用意できました。
早速買い戻しを行い、しずちゃんに本を返却。汗びっしょりのドラえもんとのび太を前に、
『?』のしずちゃん。いや、しずちゃんの反応は正しいでしょ。
そして事なきを得た2人は居間のテレビを鑑賞。
「あんな本がどうして1万円以上で売れたのかしら・・・・・・。」
と思いながらも安堵の表情。とにかく良かったですね。
しかし隣に座っていたパパは神妙な表情で考え事をしています。
今回のその時です。
パパの考え事に全ての答えがありました。
「ヘソクリ1万円挟んでおいたあの雑誌はどこへいったのかしら・・・・・・。」
あの雑誌とは、のび太が興奮したエロ本のこと。
何故それが古雑誌にもかかわらず1万円以上で売れたのか・・・。
あのエロ本のどこかのページにパパの1万円があったということなのです。
つまり筆者の余計なこと講座によりますと、
買取金額は10013円。パパのヘソクリが10000円。
差し引きすると、エロ本の正式な買取金額は13円ということになります。
うわーどうでもいいー!!
今回の話では買取サービスのシビアさが良く分かったでしょうか。
しかしながら現代のケチケチした買取よりも、
自動買いとり機の方が査定が非常に甘く、消費者に優しいという面が分かりますね。
無闇やたらと買取に頼った結果、
本来必要であったものまで買い取らせてしまったという後悔もこの話でありました。
筆者はゲームの買取をしてもらった事が何度もありますが、
いざ買い取ってもらってしばらく経つと、
そのゲームをまたやりたくなる事があったのです。後悔しましたよ・・・そりゃもう。
そういう病気なんでしょうね僕。
便利だけど無計画に頼るべきではないという教訓を教えてくれる話ですね。
そしてパパ、ドンマイ!
(※いや、それしかかける言葉が無いでしょ。)