税金鳥(2)

 

 

 

 

 

 

 

もう見てないんですけど、アニメリニューアル前のドラえもんさんが、

歩く時に『ペリペリペリ』と音を立てていたんですよ。

音的に畳の繊維を剥がしてるんじゃないかと思いました。

おかしーなー。ちょっと浮いてるはずなんだけど。ハルジオンです。

 

 

 

さて、税金鳥の続きです。

ハルジオンさんはいつもの事ながら、

テキスト内部に余計な事を書く癖があるので長くなる傾向にあるんですが、

まぁ補足解説とかすると余計な事書かなくても長くなりますよね。

よね?

(同意を伺う視線で)

 

 

 

では続きです。

金尾君の貯金がゴッソリ持って行かれてしまいました。

窓から涙目で飛び去る税金鳥を見つめる金尾君。

そして税金鳥は任務達成するやいなや

「ドーモドーモ。」

と言いながらその場を後にします。

そのやる気の無い反応で済む話でもないんですけどどうよ。

 

 

で、税金鳥の効力を目の当たりにしたのび太はドラえもんと共に帰宅します。

「僕なんか小遣いも貯金もとっくに使ったから気楽なもんさ。」

と能天気な言葉を言いますが、まぁ皆さんもそろそろお気付きでしょう。

のび太が緩い発言をしたら、

そこでフラグが立ちます。

 

 

 

 

帰宅するやいきなりママから今月分の小遣いが渡されました。

前回のテキストでも書きましたが、のび太の小遣いは500円です。

しかも500円札ですので、時代がよく分かります。

のび太さん、こんな時にくれるなよと涙目です。

そこへすかさず金の匂いを嗅ぎつけてきた税金鳥の野郎が来ます。

猛スピードでのび太に迫り、

「税金!」

というただ一言のみです。

まぁ流れ上、その一言のみで意味が通じるので良いのですが、

もう仕事の虫になってしまっている税金鳥の、

職務遂行ゆえの愛想の無さが滲み出ています。

そもそも機械に愛想を感じさせられても困るんですがね。

 

 

そして小遣いの税金を取られてしまい、部屋に行くと、

そこに親戚のオジサンが来ます。

これから3年間は日本に戻らないので、

今のうちに3年分のお年玉を渡してくれるそうです。

いや〜のび太よかったじゃないか!

3年分で3万円っていえば漫画もたくさん買え…

 

 

 

 

 

 

 

あ、税金鳥がいるんだ。

 

 

もうのび太さんのオジサンに対する態度が

お願いだからお金なんてくれないで!

という理解しがたいものになってしまいました。

オジサン、強引にも3万円をのび太に渡してバイバイ。

すかさず税金鳥がやってきて7割の税金を宣告します。

鬼畜ってレベルじゃねーぞ。

 

 

 

というか、凄いな。

のび太のフラグ回収率の高さ。

 

 

 

さてさて、ここまで順調に子ども達から税金を徴収してきました。

どれだけ納税額が貯まったのかを調べてみましょう。

 

 

 

名前 納税額
のび太 21050円
しずか 11200円
出来杉 49000円
金尾 91800円
ジャイアン 0円
スネ夫 0円

 

 

 

 

 

ジャイアン・スネ夫=0円

 

!?

 

 

 

ジャイアンとスネ夫が脱税してるのではないか。

という疑念を抱かれそうですが、

ここで何より注目するべきところは、

金尾君の納税額が半端じゃない事です。

この金額を踏まえて考えると、

銀行の口座まで荒らされたのではないかと思わざるを得ません。

合掌・・・(-∧-;)

 

 

さて、ジャイアンとスネ夫の0円に不信感を持ったのび太とドラえもん。

自家用衛星を打ち上げて様子を見ることにします。

まずはジャイアンから。

子どもを叩いてキャンディーを奪う。

漫画の所有権を自分のものにして奪う。

 

 

 

「これじゃお小遣いいらないよ」

と嘆くのび太ですが、

この場合のジャイアンには、税金というよりも

罰金を課したほうが良いのではないかと思います。

過去のコミックスでも紹介されましたが、

『罰金箱』という道具もヨロシク。

 

 

さてスネ夫はどうなんでしょうか。

なにやらママとスネ夫が打ち合わせてきなことをしています。

以下、その流れ。

 

 

 

スネ夫「おつかいに行ってきたい。」

 

ママ「別に頼むおつかいは無いざます。」

 

スネ夫

さっき僕の貯金全部あげたでしょう。

あの中からお金をくれて、

「プラモのレーシングカーを買っておいで」

と言いつけてほしいんだ。

僕が買ってきてママに渡すから、それを僕にくれればいいの。

 

 

 

つまり、

合法に限りなく近い脱税です。

いわば構図としてはこんな感じでしょう。

 

 

税金鳥始動。貯金からも税金を取る事を知る。

ママに貯金全額を渡す。つまり自分名義の貯金は0円になる。

欲しいものを買うときは『おつかい』という形で行く。

頼まれた『おつかい』で渡される金は税金の対象から外れる。

\(^o^)/オワタ

 

 

 

最後の顔は間違いなく被害者の子供たちの心境でしょう。

というか、さすがはスネ夫。狡猾な人物らしい脱税手段です。

この状況を知ったのび太とドラえもんは、

税金鳥にスネ夫から徴収するよう命令しますが、

税金鳥もそれなりに賢い機械です。

「おつかいに税金はとれません。」

と言って退けてしまいます。

勝ち誇った表情のスネ夫さん、あんた夜道は気をつけなよ。

 

 

 

さて、税金鳥が税金徴収で暴れまわった結果、

ついにその被害者からクレームが発生します。

出来杉君は、近所の子どもの家庭教師をしながら、

コツコツと顕微鏡を買うために貯金してたそうです。かわいそうに。

 

 

金尾君は

貯金だけが楽しみで、欲しい物も買わずに貯めたんだそうです。

可哀想だけど一つだけ苦言を呈するならば、

貯金だけが楽しみなら無くなっても問題ないんじゃないか?

例えばそうね。

貯金が0円になってもまた貯める楽しみが味わえるじゃないか!

 

 

 

ポジティブすぎます>ハルジオンさん。

まぁ金尾君の趣味が貯金だったからこそあの納税額になったんでしょうね。

 

 

 

場面は変わってジャイアン。

「税金たまったか。そろそろ何か買おうや。」

 

 

 

お前ってやつは・・・(・∀・#)

 

 

道に落ちてる10円を発見。ジャイアン嬉しそう。

そこへ税金鳥がやってきます。

落ちてる10円も収入のうちに入りますので税金を要求するでしょう。

ジャイアンはまぁ常識感に疎い人物ですから当然この反応。

 

 

「税金!?バカ!!もっと金持ちからとれ!!」

 

 

そういう問題ではないだろ。

ジャイアンのけち臭さはのび太以上とも受け取れますが、

流石はコミックス界を代表するミスタージャイアニズムです。

自分の犠牲は全く範疇外ですが、

これで引き下がるような税金鳥じゃありません。

「ハラワナケレバサシオサエシマス!!」

と言って、

ジャイアンにビーム攻撃を食らわします。

さぁ攻撃を受けたジャイアンは逆上。

税金鳥とタイマン勝負です。

次のコマでは「やりやがったな!!」と言いながら

白熱した戦いを演じます。

 

 

 

遂にジャイアンは傷を負いながらも税金鳥を破壊し、

取立ての恐怖から皆を解放し、物語は終わりになります。

この時、ジャイアンは片手にバットを持っていまして、

武器を装備してのラスボス戦だったのが分かります。

ところで、

そのバットはいつの間に装備したのでしょうか。

前の描写では手ぶらだったはずですが…。

 

 

 

 

税金という存在は庶民を悩ませてくれます。

特に所得格差が大きな現代においては、

何とか税金を安く済ませたいという思惑に駆られ、

脱税や誤魔化しが増えてきてしまっています。

まぁわざと私利私欲で誤魔化したアホが国会議員にいるので、

これは何とも言い難いんですけどね。

 

 

税金による歳入で国家は運営されます。

税金は払うべきものですが、

その税金が我々の思惑通り活用されない現代は、

憂いてしかるべき事でもありますね。

この作品では、

税金鳥という道具によって

闇金融の黒服みたいな強引な取立ての悪しき部分と、

ジャイアンやスネ夫のようなズルイ納税者の本質などが

垣間見えたかと思います。

 

 

そこまで作者が踏み込んだかどうかは知りませんが、

物語としての面白さもあり、描写の1つ1つも見ごたえがある作品でした。

この税金鳥は、

コミックス22巻の表紙を飾っているので、

このコミックスを見たら「あぁ、コイツ知ってるわ!」になることと思います。

 

 

とりあえず税金鳥が徴収したお金が、

皆の下へ無事に帰ってきたかどうかは作中では語られていません。

脳内補完でハッピーエンドという事で片付けちゃいましょう。

 

 

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